七仏通誡偈


七仏通誡偈 しちぶつつうかいげ

諸悪莫作 しょあくまくさ

衆善奉行 しゅぜんぶぎょう

自浄其意 じじょうごい

是諸仏教 ぜしょぶっきょう

 

悪いことはしない。善いことをする。

そうすると心が清らかになる。

これが仏様の教えなり。

 

 七仏通誡偈( 法句経) は、釈迦以前の六人に釈迦を含めた七人と諸々の仏たちの教えで、行いで、証です。

 

 唐の時代、圓修禅師が七仏通誡偈で詩人・白居易の質問に答えています。

問 仏教の大意とは何でしょうか?

答 諸悪莫作 衆善奉行(悪い事をせず善いことをする)

問 そのようなことは、三歳の幼児でも知っており言えるでしょう。

答 三歳の子供でも知っているが、八十歳の老人でも実践するのは難しい。

 

「言うは易く行うは難し」悪い行いをせず、善い行いをしようと、自分の心に働きかける。自分が善と思っても、相手には悪となる事があります。相手の事を考え、自らが心を浄め実践する事が大事です。善い心掛けでいると、悪いことが出来なくなっていきます。

 道元禅師は正法眼蔵・諸悪莫作に著述。例えば、人が井戸をのぞけば井戸が人をみるだけでなく、井戸が井戸をみて、人が人をみる。水中の月のように水が月を宿している。分別を作るのは人の心で、自然の摂理に善悪はなく、真実に善悪の分別をしてはなりません。自分も他者も活かさないことが不幸せであって悪。自他共に活かすことが幸せというのが善というのです。

 悪を意識するより︑善い行いを常に続けると、その修行の力が現れて、悪いことを思い行なうことがなく、自然に善を行なう仏と成るのです。善い行いは心を清めるのです。