開経偈(かいきょうげ)


無上甚深微妙法(むじょうじんじんみみょうほう)


百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんごうなんそうぐ)

 

我今見聞得受持(がこんけんもんとくじゅじ)

 

願解如来真実義(がんげにょらいしんじつぎ)

 

【読み下し文】

無上甚深微妙の法は、

 (むみょうじんじんみみょうのほうは)

百千万劫にも 遭い遇うこと難し、

 (ひゃくせんまんごうにも あいおうことかたし)

我れ今見聞し 受持することを得たり、

 (われいまけんもんし じゅじすることをえたり)

願わくは 如来真実の義を解せん

 (ねがわくは にょらいしんじつのぎをげせん)

 

【現代語訳】    

 この上比べるものなく深く素晴らしい釈尊の教え(真理)は、百千万の長い時をかけても出会うことは困難である。私は今、見聞きして頂くことが出来き大変ありがたいです。願う事は、釈迦如来の真実の心が理解し、お智慧を頂けますように。

 

【コメント】

 この開経偈は、お経をお勤めする前にお唱えすることが多い偈文です。

 お経は、釈尊の教え(真理)が説かれたものです。また、その教えを受け継ぎお悟りを開かれた和尚様方のお言葉です。

 人間として生まれ、今ここに生きていることが素晴らしい事ですが、更に仏様の教えに出会うことはとても稀で難しい事です。その釈尊の教えが二千五百年絶った今も生きているのです。

 釈尊は、人が苦しむ迷いを解決し、人間の本質について真実を示し、生き方を教え実践された方です。

 その有り難い教えに、今巡り会う良縁を大切に致しましょう。

 お経の前には、身を清め(手を洗い口を漱ぐ)仏前にて、身を正し、心を落ち着かせ、真心を込めて合掌致しましょう。