<仏教・仏事Q&A>

曹洞宗の宗旨は?

 

「宗門は、仏祖単伝の正法に遵い、只管打坐、即身是仏を承当することを宗旨とする。」

 (曹洞宗宗憲 第三条)

 

 曹洞宗は、お釈迦様より歴代の祖師方によって相続されてきた「正伝仏法」を依りどころとする宗派です。それは坐禅の教えを依りどころにしており、坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であると自覚することにあります。

 そして坐禅の精神による行住坐臥(「行」とは歩くこと、「住」とはとどまること、「坐」とは坐ること、「臥」とは寝ることで、生活すべてを指します。)の生活に安住し、お互いに安らかでおだやかな日々を送ることに、人間として生まれてきたこの世に価値を見いだしていこうというのです。

 

 

納骨の時期はいつ?

 

 納骨の時期に、決まりはありません。

 一般的には四十九日法要と併せて納骨を行うことが多いです。葬儀後すぐ、三十五日、百ヶ日、一周忌、彼岸、盆、月命日など節目に合わせ、親族また住職などとよく相談し決めていきます。

 墓終い、墓地改葬、永代供養、手元供養、散骨、金銭的問題などご事情や選択肢で迷うことがあると思います。死の受入れが出来ない方、遺骨を大切にするがあまり遺骨依存の方など、決心できず納骨出来ないケースもあります。

 遺骨に執着し過ぎず、故人(遺骨)を大切に思うからこそ、前向きに考えて、適切な場所に納骨し、安らかにおくりたいものです。

 ご遺族のお気持ちやご事情を留意し、納骨の方法や時期を一緒に考えたいと住職は思っています。

 

少林寺の檀家に入るには?

 

 ①少林寺へ連絡

 ②少林寺を見学し、住職と面談。

 ③入檀手続き[入檀届提出]

   入檀金 5,000円(初年度のみ)

   年会費 5,000円

 

 檀家(だんか)とは、寺院に所属して支援する家庭です。先祖を供養する寺院を菩提寺。菩提寺が供養する家を檀家といいます。お寺の正会員といえます。

 檀家に入ることを「入檀(にゅうだん)」といい、少林寺護持会定款に同意し、[入檀届]を住職へ提出し、入檀金と護持会費を納めて頂くと檀家になれます。

 檀家になることは、私たちのかかりつけのお寺として、仏縁が深く結ばれ、祖先を敬い供養し、共に御教えを学び、信仰に生き、心豊かな生活を目指します。

 檀家を辞める場合は、住職へ[離檀届]を提出頂ければ費用なく辞められます。

お寺への包み袋は、何と書けばよいの?

 

まずは、誰に(お寺・住職)何のために(慶事・弔事)、気持ちを包むのかをよく確認致しましょう。

 

書き方

 ・御年賀…お正月の挨拶・御供

 ・御供…ご本尊様やご先祖様への御供

 ・御礼…謝礼

 ・寄附・寄進…金銭や品物の寄贈

 ・御香料…お香にかえてのお気持ち

 ・御布施…僧侶に施す。お気持ち

 

水引

 ・慶事…赤白。

 ・弔事…白黒。双銀。忌明以降は黄白(地域の習慣があります)

 ・通年…白(御布施・寄付など)

 

お気持ちを包み・水引・文字に表します。

包み袋を渡すときには、お盆にのせて相手に向けて捧げましょう。

御詠歌とは何ですか?

 

 御詠歌(ごえいか)は、仏教の教えを和歌にして、曲をつけて唱えるものです。讃仏歌や仏教音楽ともいえます。

曹洞宗は「梅花流詠讃歌(ばいかりゅうえいさんか)と言い、各宗派で流派があります。

伝統的な作法に則り、鈴証を鳴らし、お釈迦様やお祖師様方を讃え、ご先祖様を敬う心を唱えます。教えを学び実践する中で、命の尊さ、仲間の大切さ、世の中の楽しさを教えてくれます。

自然と心が穏やかになる曲調は、きっと生きる力を与え、感動ある日常へ導かれることでしょう。正しく調和のある明るい暮らしを一緒に送りませんか。

なぜ、曹洞宗は本山が二つ?

 

 今から約八百年前の鎌倉時代です。

 大本山永平寺(福井県)を開山された道元禅師(どうげんぜんじ)は、お釈迦様の教えを正しく受け継ぎ、正伝の仏法を中国から日本に伝え、高祖承陽大師(こうそじょうようだいし)と尊称されます。

 大本山總持寺(神奈川県)を開山された瑩山禅師(けいざんぜんじ)は、弟子の育成と布教教化の功績が大きく教団の礎を築き全国に広め、太祖常済大師(たいそじょうさいだいし)と尊称されます。

 道元禅師がいなければ曹洞宗は存在せず、瑩山禅師がいなければ曹洞宗の広まりはなく、どちらもかかせない両親のような大きな存在なことから、両祖として仰ぎ、両大本山として曹洞宗寺院の根本であり、信仰の源として、曹洞宗には大本山が二つあるのです。

家族が亡くなったら、まずは?

 

 まずは、少林寺へ一報をいれましょう。(24時間対応)住職と葬儀の日程や進め方などについてご相談下さい。遠慮せず率直に何でも住職にお尋ね下さい。

 先祖代々繋がった檀信徒が亡くなることは、少林寺としても一大事です。同じ家族の気持ちで住職は真剣に勤めています。普段は疎遠でも大丈夫。どんなに離れていても少林寺は檀信徒の皆様を見守っています。葬儀は、成仏への大切な道で、大事なお別れの場です。

 もしもの時に備えて、生前に住職と相談を致しましょう。葬儀社や墓地など、家族はどうするべきか。慌てないこと。焦らないことが大事です。そのために事前に備えておくと、後悔なく故人を見送り、本人も安心して旅立ちが出来ます。

お坊さんは何と呼べばよい?

 

 曹洞宗では、住職(寺院の代表者)は「方丈(ほうじょう)様」や「ご住職(じゅうしょく)様」。先代住職は「東堂(とうどう)様」と呼びます。寺院名の「○○寺様」でもよいでしょう。住職を問わない言い方では「和尚(おしょう)様」や僧名で「○○さん」。親しい関係ならば和尚さんを略して「おっさん」でもよいでしょう。

天台宗では「和尚(かしょう)様」

真言宗では「和尚(わじょう)様」

浄土宗では「和尚(おしょう)様」

浄土真宗では「ご院家(ごいんげ)様」

日蓮宗では「お上人(おしょうにん)様」

臨済宗は曹洞宗と同様です。この他にも沢山呼び方があり、宗派、役職、僧階などで違います。一般的に宗派を問わず呼べるのは「ご住職(じゅうしょく)様」や「お寺様」などがよいでしょう。

位牌をまとめるのはいつ?

 

 「五十回忌がきたら位牌をまとめる」と耳にすることがあります。宗派や住職の考えはありますが、何年経過したからといって、すぐ位牌をまとめる必要はありません。

 位牌をまとめるとは「位牌の合祀」で、複数の位牌を<○家先祖代々之霊>など一つの位牌に御霊をまとめる供養です。

 位牌の合祀は、位牌が増えて仏壇へまつり安置する場所がない。位牌が傷んできたなどの理由で、新調または修繕致します。この時に五十年を目安に合祀することはあります。

 時期は、法事や仏事の節目に合わせて、家族や住職と慎重に相談し行ないましょう。仏壇店等のアドバイスも大事です。一方で商売ですので、高額なものを勧められることがあります。よくあるケースでは、仏壇のサイズを確認せず、位牌が仏壇に合わないサイズであった。仏壇を買替える場合では、新しい仏壇に位牌が全部入らない等、残念な事例がよくあります。必ず住職にも相談し、他人任せではなく、自分の家にあったものを見極める事と信頼関係が大切になるでしょう。

 墓石や墓地の整地も同様です。自分たちまつる側の現実的な都合もありますが、仏様、ご先祖様のことをよく考え、位牌・仏壇・墓石もその当時の方が供養されまつられたものです。良い方向でご供養しおまつり出来るようにお考え下さい。今日あるはご先祖様のお陰です。 

法事が遅れるのはダメ?

 

 法事(○年忌法要)は、故人の祥月命日(没月日)と逮夜(前夜)に営むのが正式です。実際に二日営む事はなく一日で営む事が通例です。

 一周忌までは満で数え、三回忌(満二年)からは数え年で○年目に入る時に営みます。また同じ年に二霊以上当る場合もあるでしょう。一霊ごとが理想ですが、親族の集まる都合などで、二霊以上の合同での法事も出来ます。

 故人に報い安らかにと念じる供養をする意味で、命日に難しい場合は、早めに営むことが理想です。しかし、やむを得ない事情もあると思います。遅れても大丈夫。法事を営まないより、勿論営む方がよいでしょう。何より故人を思う気持ちが大切です。

 法事の日程は予約制のためご希望の日時や場所等をご連絡下さい。

 思い立ったが吉日。

 まずは住職へご相談下さい。

法事? ふじゅー? たいや?

 

 法事とは、本来仏様の教えを知る(学ぶ)ということでした。それが次第に、故人への供養を勤める事が「法事」と呼ばれるようになりました。

 施主(供養する者)が、飲食や花をお供えし、読経することによって善根(よい行い)の功徳を積み、その功徳を回向(回し向ける=手向ける)することによって、故人の冥福を祈り仏道の成就を願います。また、施主や参列者は、自分自身を見直す修行の時間でもあります。

 葬儀後、七日ごとに初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日の四十九日まで追善供養を行います。

 美作地域では、七日ごとの七日経を「ふじゅー」と呼びます。

 「諷誦」という経文を唱える法要が方言になったようです。

 また「たいや」とも呼びます。

「逮夜」又は「大夜」と書き、法要前夜を指します。法要当日は「正当」といいます。葬儀でお通夜と葬儀を営むように、法事でも逮夜(前夜)と正当(当日)に営むのが厳格な法事です。

 さらに百ヶ日、月命日(毎月の命日)祥月命日(年一度の命日)、お盆、春秋彼岸。一周忌、三回忌(満二年)、七回忌…など続いていきます(一頁参照)

 法事は最大の善行で、生きるものが仏様に出会う大切なご縁。怠りなく勤めたいものです。何回忌までやればよいか。それはあなた次第。あなたの法事への思い。させて頂ける心(喜び)が供養となるでしょう。

お線香は何本供えるのか?

 

 曹洞宗のお線香のお供えは基本一本です。姿勢を正し、一度額に頂き念じてから香炉の中心に真っ直ぐ立てお供え致します。

 僧侶が御供えする場合は「迎え線香」と言い、その場を清浄にし仏様や導師を迎えるためにお線香を二本立てます。その後、導師が入りお線香一本を御供えして合計三本になります。但し、葬儀の時は亡き方が迷わないようにと思いを込め、迎い線香は立てずに一本をお供え致します。  

  

 形式にこだわり過ぎない事。 

  1. 全ての方に一本も良いです。 
  2. ご本尊様に一本、ご先祖様に一本。計二本でも良いです。 
  3. ご本尊様に一本、ご先祖様に一本、命日の方へ一本。計三本でも良いです。            

全員一本ずつでもよいです。立てすぎによる火災には注意です。

 

祖様のお食事とも言われますので、丁寧にお供えさせて頂く真心が大切です。お線香は香りを持続させるために作られたものです。御供えさせて頂く方を思い、あまり数にこだわりすぎず、お気持ちを大切にお線香をお供え頂く事がよいでしょう。

 

< 臨済宗・浄土宗・日蓮宗>

お線香の本数は一本。

< 天台宗・真言宗>

お線香の本数は、基本三本。  

「三宝( 佛法僧)」や「三世( 過去・現在・未来) 全てを大切にご供養するお作法です。   

< 浄土真宗>

基本一本。線香を立てずに香炉の幅に合わせて折り、自分から見て煙の出ている側を左にして香炉の中に寝かせてお供えします。 

曹洞宗お焼香のお作法とは?

  1. 仏前で対象をみて合掌礼拝。
  2. 右手三指(浄指=親指・人差指・中指)でお香をつまみ、左手を右手の下にそえ額に軽く押し念じて頂きそのままお香を炭で焚きます。
  3. 二回目は、お香をつまみ、今度は額に頂かずそのままお香を焚きます。
  4. 再度、対象をみて合掌礼拝。

一回目は主香といい額に頂きます。二回目は従香といい額に頂かずそのまま焚きます。

参列者が多い場合は一回のみでよいです。導師や遺族に一礼のご挨拶も大事なお作法です。

元来、お香は匂い消しや清らかにするために始まりました。

香りを感じ、お心清浄に焼香礼拝し、仏の徳を無眼に広めましょう。

 

各宗派の基本的なお焼香回数

  • 天台宗…1回又は3回
  • 真言宗…3回
  • 浄土宗…特にこだわらない
  • 浄土真宗本願寺派(西)…

1回(額に頂かない)

  • 浄土真宗大谷派(東)…

2回(額に頂かない)

  • 臨済宗…1回
  • 曹洞宗…2回

(1回目のみ額に頂き、2回目はそのまま焼香)

  • 日蓮宗…1回又は3回
  • 日蓮正宗…3回

各宗のお作法通りされるのが最善ですが、わからない場合は、回数に迷わずとらわれず、真心を込めご焼香いたしましょう。 

卒塔婆とは?

 

 卒塔婆(そとうば)とは、サンスクリット語(インドの言葉)で「ストゥーパ」と呼ばれ「卒塔婆」「塔婆」と漢字に当て呼ばれています。

 卒塔婆は、遺体を埋葬するお墓や塔を指します。釈尊のお墓が起源で、遺体を埋め土饅頭や石をのせたお墓が最初でした。

やがて、五輪塔や多宝塔に発展し、現代は代々墓や供養塔があります。五輪塔は「空・風・火・水・地」の宇宙の五大根源を説

く塔で、生命は宇宙に還っていく意味をもちます。

 墓石の裏に建立する木板の卒塔婆の刻みは、この五大根源を表します。卒塔婆の建立は、善行の功徳となり亡き人の供養となる信仰です。○○年忌等の節目で、住職が木板の卒塔婆に戒名や経文を書き、お墓に建立し、読経され供養されています。

 

腹帯とは?

 

 腹帯(はらおび)とは、妊婦さんに巻く帯「さらし布」のことで、安産祈願の儀式が古来より伝わります。安定期に入る妊娠5ヶ月目に入った最初の「戌の日」に、寺社仏閣へ参拝致します。お産が軽く子だくさんの犬(=戌)にあやかって戌の日(12日に一度)に、子宝に恵まれた事に感謝し、母子の健康を祈願致します。これを「帯祝い」といい、岩のように丈夫な赤ちゃんが生まれるように願いが込められることから、腹帯を「岩田帯(いわたおび)」とも呼ばれます。

 腹帯には、腰の負担軽減、保温、胎児の固定などの効果があります。

 少林寺でも安産祈祷し腹帯を授与できます。詳細はお問い合わせ下さい。