ありがたし


ひとの生をうくるはかたく

やがて死すべきものの

いま生命あるはありがたし

正法を耳にするはかたく

諸仏の世に出づるも

ありがたし

(法句経)

 

 

<現代語訳>

人として生を受けることは得難いこと。

生まれ、やがて死を迎える無常の命が、今、生きていることは有り難いこと。

正しい教えを聞くことは得難いこと。

世の仏に出会うことも得難いこと。

それらは全て有り難いことである。

 

 

 ある日、私は余命宣告を受けた。病気や死ぬことが怖くなった。そんな絶望の淵、家族がいた。仕事を辞めて家族との時間が出来た。今までまともに話をしてこなかった私と家族はゆっくり話しをした。何度も話をした。気付いたら、たわいも無いことで笑っていた。その時、ようやく本当の家族になれた気がした。

今、心から感謝したい。家族に、生んでくれた両親に、ご先祖様へ、先生や看護師さん、友人、お世話になった世の中の方々へ、心から有り難う。と言いたい。

こうしてベットに寝ていても聞こえてくる小鳥や風や木々の音。花の香り。全てが有り難く、立派に感じる。生きているのだなと。生かされているのだと。

死を宣告されて気付かされた。命の有り難いこと。時間の大切なこと。ただ一緒にいてくれること。いつもありがとう。

(六十代 男性のお話し)

 

 

「有り難い」=「ありがとう」

幸せだから、感謝出来るのではなく、感謝出来るから幸せなのだと。有り難いことを感じた時、感謝し幸せを感じるのだろう。有り難い今をいきたい。