仏のことば ②(『仏教聖典』仏教伝道協会 はげみ第二章第四節)


  • ことばだけ美しくて、実行の伴わないのは、色あって香りのない花のようなものである。
  • 花の香りは、風に逆らっては流れない。しかし、善い人の香りは、風に逆らって世に流れる。
  • 眠られない人に夜は長く、疲れた者に道は遠い。正しい教えを知らない人に、その迷いは長い。
  • 道を行くには、おのれにひとしい人、またはまさった人と行くがよい。愚かな人とならば、ひとり行く方がまさっている。
  • 猛獣は恐れなくとも、悪友は恐れなくてはならない。猛獣はただ身を破るにすぎないが、悪友は心を破るからである。
  • これはわが子、これはわが財宝と考えて、愚かなものは苦しむ。おのれさえ、おのれのものでないのに、どうして子と財宝とがおのれのものであろうか。
  • 愚かにして愚かさを知るのは、愚かにして賢いと思うよりもまさっている。
  • 愚かな人は賢い人と交わってもちょうど匙が味を知らないように、賢い人の示す教えを知ることができない。
  • 新しい乳が容易に固まらないように、悪い行いもすぐにはその報いを示さないが、灰に覆われた火のように、隠れて燃えつつ、その人に従う。
  • 愚かな人は常に名誉と利益とに苦しむ。上席を得たい、権利を得たい、利益を得たいと、常にこの欲のために苦しむ。
  • 過ちを示し、悪を責め、足らないところを責める人には、宝のありかを示す人のように、仰ぎ仕えなければならない。