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脚下照顧 (きゃっかしょうこ)

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脚下照顧とは、自分の足下を顧みて照らす。

私の身、私の心を、私自身で振り返り、私自身でよく点検し、物事を行いなさいという意味です。

 

 被災地の避難所でのお話しです。

 被災し余裕がない状態でトイレを使うと、使い放しが多く、汚れていきます。

 そんな時、私は、ボランティアでトイレ掃除をするのです。そして「こんにちは」と声をかけるのです。初めは「この人だれ?」というようなお顔をされていても、一日何度も声を掛け、トイレ掃除をするのです。すると、次第に打ち解け、中には「ありがとう」と御礼を言ってくれる人。「トイレがきれいだと気持ちがいいわ」と言っていれる人がいます。

 数日後、数人の小学生たちが「僕たちにもトイレ掃除を手伝わせて下さい。」というのです。自分も辛いだろう小学生が自分に出来ることを考え、自ら進んでトイレ掃除をしてくれるのです。そして、自分が使う時に全てのスリッパを綺麗に揃えるのです。その姿を見た大人たちが感心します。自然とみんながトイレを綺麗に使い、スリッパを揃えるようになってきたのです。

 トイレが汚い避難所は、人間関係も悪く、空気も悪い。辛い時だからこそ、身の回りをきれいにすることで、少しずつだけどもみんなが住みよい場所になっていきます。

 

 

【はきものをそろえる】

  長野県円福寺住職 藤本幸邦

 

はきものを そろえると 心もそろう

心が そろうと はきものもそろう

脱ぐときに そろえておくと

はくときに 心がみだれない

だれかが みだしておいたら

だまって そろえておいてあげよう

そうすればきっと

世界中の人の心もそろうでしょう